趣 旨

  


ごあいさつ

 大阪市立大学法科大学院は、「真のプロフェッションとしての法曹」の要請を目指して、2004年に設立され、今年で17年目を迎えます。本学法科大学院を卒業した学生の多くが、法曹界を中心とした様々な分野で活躍しています。
 プロフェッションの特徴の一つは、高度な専門知識と鍛錬を要する技能にあります。伝統的にプロフェッションの代表例とされる弁護士でいえば、法と裁判に関する知識や技能がこれにあたります。法科大学院では、この知識や技能の修得に向けた教育が、体系的な理論と豊かな実務経験を基礎にして行われます。
 しかし、真のプロフェッションとしての法曹となるには、単に法律に関する専門的な知識や技能を修得するのみでは、十分ではありません。専門的な知識と技能を用いた活動が自由や正義や人権といった公共的な価値の実現に向けられたもの、あるいは少なくともそれと矛盾しないものである必要があります。開かれた現代の市民社会において法曹に特権的な地位が与えられるのも、また厳しい自治自律が求められるのも、社会全体の利益のために奉仕することを自らの使命とするプロフェッションの特質と分かちがたく結びついています。それゆえ、本法科大学院では、法曹を目指す者に、人間という存在への深い関心、人の苦しみに共感しようとする姿勢、そして社会のために困難な仕事を遂行しようとする志といった素養を求めています。
 このホームページをご覧になった皆さんは、今、法曹となった未来の自分を思い描いておられると思います。それはたとえば、企業の要求に応える法曹かもしれません。社会的弱者に寄り添う法曹かもしれません。あるいは、グローバル化した社会で活躍する法曹かもしれません。しかしまた、もしかすると、そのような法曹になる能力が果たして自分にあるだろうかと思い悩んでおられるかもしれません。いずれであっても、どうぞ、本法科大学院の扉をたたいてください。私たち大阪市立大学法科大学院のスタッフは、互いに切磋琢磨を重ねることで、皆さんを全力で支援します。
 大阪市立大学法科大学院は、2022年から、全国最大規模の公立大学に生まれ変わる大阪公立大学の法科大学院として、新たな門出を迎えます。私たちは皆さんと共に前に進みます。

大学院法学研究科法曹養成専攻長 
杉本 好央(民法)


 

 大阪市立大学法科大学院は、大阪市域にある唯一のロースクールとして、都市であるがゆえに発生する様々な法的問題に即応できる高度な法的能力を備えた、真のプロフェッションとしての法曹を養成することを目的に、2004年に設立されました。その後現在に至るまで、小規模の法科大学院であるにもかかわらず、317名の司法試験合格者を輩出してきました。
 大阪市立大学法科大学院は、2022年4月に大阪公立大学が開学するのに合わせて、大阪公立大学法科大学院として再出発します。大阪公立大学法科大学院は、大阪市立大学法科大学院の伝統を引き継ぎ、大阪府立大学の教員を加えこの伝統をさらに発展させます。本法科大学院の特色としては、具体的には次の3つが挙げられます。
 第1に、1学年の定員を30名とする小規模の大学院であることから、教育についてのサポート体制が充実しています。必修科目の授業においても学生と教員がゼミのように気軽に議論や質問をすることができる環境にあります。正規の授業外においても、大阪市立大学法科大学院の修了生が、アカデミック・アドバイザーとして、日頃の学習方法や法律書作成の技法などについて、学生に対して懇切丁寧に指導にあたります。
 第2に、早期合格へのサポート体制も充実させます。大阪市立大学法学部は「法曹養成プログラム」を設けており、このプログラムを優秀な成績で修了した学生は、3年で早期卒業をすることができ、かつ、大阪公立大学法科大学院へ特別選抜により進学することができます。これにより、大学入学から最短5年で法曹の資格を取得することができます。
 第3に、修了までに必要な金銭的負担についてもサポートします。大阪公立大学では、法科大学院生に対しても、他の研究科の博士前期課程に入学する学生と同様に、授業料減免の措置がとられます。さらに、成績優秀者に対しては、更なる授業料減免または奨学金制度を設けることが検討されています。
 以上のように、われわれは、志を高くもって法曹を目指そうとする皆さんを、最大限にサポートして参ります。経歴や年齢は問いません。皆さんの挑戦を心待ちにしています。

大学院法学研究科長・法学部長
鶴田 滋(民事訴訟法)


 

設置の趣旨

●教育上の理念、目的

大阪市立大学ロースクール(正式名称:大学院法学研究科法曹養成専攻)は、大都市大阪市の市域に設置される唯一のロースクール(法科大学院)として、大都市であるがゆえに発生する様々な法的問題に即応できる高度な法的能力を備えた、真のプロフェッションとしての法曹の養成を目指します。

 

●真のプロフェッションと呼び得るためには・・・

第1に、新たな法的問題に果敢にチャレンジする精神と、法曹実務の世界においてリーダーシップを発揮し、法実務の発展を担っていこうとする意欲とを有していなければなりません。
第2に、実定法の技術的な解釈に終始することなく、基礎法科目や外国法科目、隣接科目、展開・先端科目などについての深い学識に基づいて、現にある法を相対化し、批判的に検討することのできる高度の能力を備えていなければなりません。
第3に、人間という存在への深い関心と紛争当事者の苦悩を真摯に受け止めることのできる豊かな人間性を備え、そのうえで、法曹としての社会的責任を十分に自覚し、公益的業務に積極的に取り組む意欲を有していなければなりません。
大阪市立大学ロースクールは、大都市という環境のなかで、こうした意味での真のプロフェッションとしての法曹の養成を目指します。

 

●どのような法曹を養成するのか

大都市において発生する法的問題は、大都市を主たる活動拠点とする企業の経済活動にかかわる問題、様々な社会的弱者を含む、大都市に住まう市民の日常生活にかかわる問題、そして、大都市が経済および社会のグローバル化の最先端に位置することに伴う国際的な問題に大別されます。

 

大阪市立大学ロースクールは、上記の理念および目的を踏まえたうえで、これら3つの法的問題領域を念頭に置き、以下のような3つのタイプの高度の専門性を備えた法曹の養成を目指します。

 

第1は、複雑化しかつ多面化する企業の法的ニーズに十全に応えるとともに、その企業活動が法の枠を超えることのないような的確なアドバイスを提供することのできる、取引法、財産法、金融法、民事手続法、経済法、知的財産法等の諸分野についての深い造詣を有する法曹です。

 第2は、日本国憲法の人権擁護の精神を十分に内面化したうえで、市民の日常生活に深くかかわる取引法、財産法、金融法、家族法、民事手続法、刑事法、労働法等の諸分野に精通し、なおかつ、社会的弱者への深い理解と共感をもって、頼りがいのある法的アドバイザーとして依頼者に接するとともに、民事法律扶助事件、国選弁護事件、消費者被害の救済、外国人労働者の権利保護等の様々な分野で、公益的活動に積極的に取り組む法曹です。

第3は、経済および社会のグローバル化の進展に伴って多発している国際取引にかかわる紛争や外国人を当事者とする紛争に的確に対応することのできる、国際取引法、国際私法、国際人権法、外国法などについての深い造詣を有する法曹です。


 

大阪市立大学大学院 法学研究科 法曹養成専攻  3ポリシー(ディプロマ/カリキュラム/アドミッション)

【ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)】
法学研究科は、所定の単位修得により、以下のような能力等の基準(ディプロマポリシー)を満たした法曹養成専攻の学生に、法務博士(専門職)の学位を授与する。
(1) 全ての法曹に不可欠な現行法についての十分な知識と考え方を確実に身につけていること
(2) 現代社会に発生する新たな法的問題に適切に対応する専門的能力を身につけていること
(3) 現行法を固定的で万能なものと見ることなく、法の発展に寄与することのできる「善き法律家」たりうる能力を身につけていること
(4) 人間という存在への深い関心と紛争当事者の苦悩を真摯に受け止めることのできる豊かな人間性を備え、そのうえで、法曹としての社会的責任を十分に自覚し、公益的業務に積極的に取り組む意欲を持つ「市民のための」「善き隣人」としての「善き法律家」たりうる能力を身につけていること

【カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)】
(1) 全ての法曹に不可欠な現行法の十分な知識と考え方を確実に身につけるため、法律基本科目に属するほとんどの科目を必修科目とする。
(2) 現代社会に発生する新たな法的問題に適切に対応する専門的能力を身につけるため、展開・先端科目に属する多数かつ多様な科目を選択必修科目とする。
(3) 現行法を相対化し、批判的に検討することのできる能力を高めるため、基礎法科目や外国法科目を選択必修科目として充実させ、履修を推奨する。
(4) 市民のための法律家たりうる能力を身につけるべく、市民の日常生活の中で生じる生の紛争と紛争当事者にじかに接する機会を提供するため、エクスターンシップ等の法律実務基礎科目を必修科目または選択必修科目とする。

【アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)】
(1) 本専攻の厳しい教育に耐えうるだけの基礎的学力(文章の正確な読解力、理論的な推論・分析・判断を的確に行うことのできる能力、思考のプロセスと結果とを明確に表現する能力)を備えていなければならない。
(2) 人間という存在への深い関心、人の苦しみに共感しようとする姿勢、および、人々のため、そして社会のために、困難な仕事を遂行しようとする志を有していることを求める。
(3) これらに加えてさらに、2年短縮型の入学者は、本専攻の1年次に提供される法律基本科目について、すでに基礎的な学識を有していなければならない。

※上に挙げた「アドミッション・ポリシー」は、法学研究科の「人材養成の目的等に関するガイドライン」第3章9により定められた学生受入方針の主な内容をわかりやすく示したものです。

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