趣 旨

  


ごあいさつ

 大阪市立大学法科大学院は、真のプロフェッションと呼ぶに値する「市民のための法律家の養成」を目指して2004年に設置され、2019年に15周年を迎えました。その間、本法科大学院からは、真のプロフェッションと呼ぶに値する数々の法曹が輩出し、社会においてそれぞれの貴重な役割を果たしておられます。
 どのような領域でも、真のプロフェッションは、その専門職でなければできない仕事を成し遂げることを誇りとするとともに、それを行うことを社会における自らの使命とする高い自覚を持ち、この使命をよりよく果たすための日々の努力を怠ることがありません。
 法曹の世界に入ること、そのプロフェッションたることの厳しさは、ご存知のとおりです。それでもなおこの修行の道を歩もうとする皆さんの志を、とても尊いものであると私たちは考えます。そして、大阪市立大学の法科大学院で、「市民のための」「善き隣人」としての「善き法律家」を目指していただきたいと思います。
 本法科大学院の特徴として、少人数教育と教職員と学生の距離の近さを挙げることができます。また、本法科大学院を修了した若手弁護士などによるアカデミック・アドバイザー制度が充実され、在学生のみならず修了生に対する、教育補助者による学習支援体制が整備されています。そして、2017年度より、法科大学院生に対して、日本一安い学費による手厚い経済的支援も行っています。大阪市立大学法科大学院は皆さんの夢をかなえるために必要なものをすべて備えています。
 法科大学院制度を含む法曹養成制度は、現在、大幅な見直しが進められています。本法科大学院は、この時代の変化に対応する改革を行う所存であります。ただ、初心であるロースクール教育の理念と目標を堅持し、高度な法的能力を備えた真のプロフェッションとしての法曹の養成を目指していきます。
 大阪市立大学法科大学院の教員及び職員一同は、そのような法曹になることを目指す皆さんに、可能な限りのサポートを提供します。勇気を持って、本法科大学院の扉をたたいてみてください。

大学院法学研究科法曹養成専攻長 
王 晨(アジア法)


 

 大阪市立大学ロースクールも今年で16年目を迎え、多くの卒業生たちが法曹界などでおおいに活躍する様子を、ひんぱんに耳にするようになりました。
 本学ロースクールは、学生定員90名と、比較的小規模ではありますが、大阪市域に所在する唯一の、そして経済的負担の少ない法科大学院として、『市民のための法律家』養成を理念に掲げ、少人数の利点を最大限に活かした教育を展開しています。
 教員と法科大学院生、そして院生どうしの間には、厳しくしかし温かな雰囲気が満ちていて、講義や演習直後に教員をつかまえたり、あるいはオフィスアワーに研究室を訪れて納得がいくまで食い下がる姿や、自主ゼミで活発な議論を交わし互いに切磋琢磨するロースクール生の姿は、ごく日常的な風景となっています。
 法学部も今年で67年目を迎え、これまで法曹界を含め企業・行政など各分野に優れた人材を輩出してきましたが、創立以来の最大の特色である少人数教育による教員・学生間の密度の高い交流と自律性の尊重は、ロースクールにもしっかりと息づいています。とりわけ、法曹界において本学卒業生たちが長きにわたり築き上げてきた強固なネットワークは特筆すべきものといえます。
 本学においても、今年度から「法曹養成プログラム」の運用が開始されます。ご承知の通り早期卒業制度を利用し、大学入学後、最短5年で司法試験受験資格を認めるものです。このようにロースクールを巡る状況は、今も目まぐるしく変化し、また決して楽観できるものでもありませんが、そのなかで知識の習得に偏重することなく、幅広い視野と豊かな人間性、そして創造性を併せ持った法曹を目指そうとする皆さんを、本学の教職員は最大限にサポートしていきたいと考えています。ロースクール入学後の2年間もしくは3年間の勉学は厳しいものではありますが、高い志を持った皆さんの果敢な挑戦を心から期待しています。

大学院法学研究科長・法学部長
安竹貴彦(日本法制史)


 

設置の趣旨

●教育上の理念、目的

大阪市立大学ロースクール(正式名称:大学院法学研究科法曹養成専攻)は、大都市大阪市の市域に設置される唯一のロースクール(法科大学院)として、大都市であるがゆえに発生する様々な法的問題に即応できる高度な法的能力を備えた、真のプロフェッションとしての法曹の養成を目指します。

 

●真のプロフェッションと呼び得るためには・・・

第1に、新たな法的問題に果敢にチャレンジする精神と、法曹実務の世界においてリーダーシップを発揮し、法実務の発展を担っていこうとする意欲とを有していなければなりません。
第2に、実定法の技術的な解釈に終始することなく、基礎法科目や外国法科目、隣接科目、展開・先端科目などについての深い学識に基づいて、現にある法を相対化し、批判的に検討することのできる高度の能力を備えていなければなりません。
第3に、人間という存在への深い関心と紛争当事者の苦悩を真摯に受け止めることのできる豊かな人間性を備え、そのうえで、法曹としての社会的責任を十分に自覚し、公益的業務に積極的に取り組む意欲を有していなければなりません。
大阪市立大学ロースクールは、大都市という環境のなかで、こうした意味での真のプロフェッションとしての法曹の養成を目指します。

 

●どのような法曹を養成するのか

大都市において発生する法的問題は、大都市を主たる活動拠点とする企業の経済活動にかかわる問題、様々な社会的弱者を含む、大都市に住まう市民の日常生活にかかわる問題、そして、大都市が経済および社会のグローバル化の最先端に位置することに伴う国際的な問題に大別されます。

 

大阪市立大学ロースクールは、上記の理念および目的を踏まえたうえで、これら3つの法的問題領域を念頭に置き、以下のような3つのタイプの高度の専門性を備えた法曹の養成を目指します。

 

第1は、複雑化しかつ多面化する企業の法的ニーズに十全に応えるとともに、その企業活動が法の枠を超えることのないような的確なアドバイスを提供することのできる、取引法、財産法、金融法、民事手続法、経済法、知的財産法等の諸分野についての深い造詣を有する法曹です。

 第2は、日本国憲法の人権擁護の精神を十分に内面化したうえで、市民の日常生活に深くかかわる取引法、財産法、金融法、家族法、民事手続法、刑事法、労働法等の諸分野に精通し、なおかつ、社会的弱者への深い理解と共感をもって、頼りがいのある法的アドバイザーとして依頼者に接するとともに、民事法律扶助事件、国選弁護事件、消費者被害の救済、外国人労働者の権利保護等の様々な分野で、公益的活動に積極的に取り組む法曹です。

第3は、経済および社会のグローバル化の進展に伴って多発している国際取引にかかわる紛争や外国人を当事者とする紛争に的確に対応することのできる、国際取引法、国際私法、国際人権法、外国法などについての深い造詣を有する法曹です。

 

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